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『僕は君たちに武器を配りたい』

僕は君たちに武器を配りたい僕は君たちに武器を配りたい
(2011/09/22)
瀧本 哲史

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『僕は君たちに武器を配りたい』は瀧本哲史さんの若者向けの自己啓発書。瀧本さんはマッキンゼーを経てエンジェル投資家として活動をしつつ京都大学で「起業論」を教えている人物とのこと。

グローバル化による労働力の流動化とインターネットによる「教育コスト」の激減が人材の「コモディティ化」をもたらした。「コモディティ化」した人材は「安売り」する以外に道はなくなる。「コモディティ化」の潮流から逃れる唯一の方法は「スペシャリティ」になること。というのがこの本の概略。これにはかなり納得。

「スペシャリティ」を説明するのに漁師を使っていて、これがとてもわかりやすい。6つのタイプに分けていて

「トレーダー」=とれた魚をほかの場所に運んで売ることが出来る漁師
「スペシャリスト」=一人でたくさん魚をとるスキルを持っている漁師
「マーケター」=高く売れる魚を造り出すことができる漁師
「イノベーター」=魚をとる新たな仕組みを作り出す漁師
「リーダー」=多くの漁師を配下に持つ、漁師集団のリーダー
「インベスター」=漁についての深い知識を持ち、魚をとるための漁船と網を所有して、所有する船に乗っている漁師に魚をとらせる。

ただこの中でも「トレーダー」と「スペシャリスト」は価値を失いつつあるので、有望なのはそれ以外の4つのタイプだという。

面白いのは、これまでマネジメント論的な紹介のされ方をしてきたマーケティングやイノベーション、リーダーシップ、ベンチャー投資などについて、「個人が行動する指針」という切り口で紹介しなおしている点。ただ、その内容にはかなり濃淡があって、「マーケッター」と「イノベーター」の解説は豊富な例があって面白かったが、「リーダー」や「インベスター」については内容が薄く感じた。

全体的に、投資に関してに限らず、逆ばり投資的な観点で書かれている部分が多く、こういった本にしては新鮮で面白かった。例えば、

世界でもっとも長期にわたって成功している投資家一族、ロスチャイルド家も、この考え方で莫大な財産を築いてきた。「地面に死体が転がっているような不景気なときに投資をし、まだ早すぎるというタイミングで売り抜けろ」というのがルールなのである。

「現在絶好調な会社」に就職することは、言葉を変えると、「数年後には間違いなく輝きを失っている会社」に就職することとほとんど同義である。

大量のコマーシャルを打っている会社、「今流行ってる」商品・サービスを売る会社には気をつけよ!

など。

さらに

基本的に新聞には、誰かが「アナウンスしてほしい情報」だけが載っている。新聞やマスコミで公開された情報は、誰か声の大きな人間が、世間を自らの望む方向に誘導するために流している情報だと考えるべきなのだ。

とか

公開されている情報からでも、普通の人がやらない「一手間」をかけることで、大きな果実を手に入れられる。

というのも投資家的な考え方で面白い。

ただ、本書の最初のほうで、

勉強ブームの陰には「不安解消マーケティング」がある。勉強すれば大丈夫と安易に思うな。

と言っておきながら、本書の各章の最後には「ここまで手に入れた『武器』」というまとめページがあり、「手に入れた武器」とはかなり安易なタイトルだと感じた。穿った見方をすればこの本自体も「不安解消マーケティング」のターゲットが読者なんだろうから同じ穴の狢じゃないかとも言えなくもない。

あと、最後のほうで著者が小中学生のときに読んで価値観を変えられた本として吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』を挙げている。この本は僕にとっても子供の頃に真剣に物事を考えるきっかけになった本なので懐かしく感じた。
君たちはどう生きるか (岩波文庫)君たちはどう生きるか (岩波文庫)
(1982/11/16)
吉野 源三郎

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Author:kaz
本がとにかく好き。あとはテニス、映画、音楽、デジタル・ガジェットも。iPadラブ。

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