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伊坂幸太郎の『モダンタイムス』


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『モダンタイムス』は伊坂幸太郎『魔王』の後日談となっている。『魔王』の主人公だった安藤兄弟の甥が主人公。また2部構成だった『魔王』の後半の「呼吸」の主人公・安藤潤也が『モダンタイムス』の重要な登場人物にもなっている。

『魔王』は2005年10月、『モダンタイムス』は2008年10月の刊行と時期は少し離れているが、『魔王』に『モダンタイムス』の最後の場面が出てくるので、同時期に構想したんだろう。

『モダンタイムス』のテーマは、同名のチャップリンの映画のように歯車となって無意識に何かをしていると、特定の悪意を持った首謀者などいなくても「システム」としての悪意に加担してしまうことがあるというもの。そして、だからといってその悪に何も考えずに加担するのを好しとせず、個人個人が少しでも抵抗するべきじゃないかというのがテーマかな。

伊坂幸太郎の他の小説家には替えがたい魅力は2つあると思ってて、1つは、底辺に流れるユーモア。別に意識的に笑わせようとする部分があるのではなく、登場人物がそこはかとないユーモアと妙に楽天家的な部分を持っていて、殺人や拷問の場面があっても嫌な感じなならないんですよね。

もう1つは、一見なんの脈絡もなかったすべての伏線が、結末にかけて一気に収束していく何とも言えない快感。『モダンタイムス』には、1つ目のユーモアという魅力は健在だが、2つめの結末にかけての一気に収束する快感はなかった。

その代わりに上で書いた今までにない重いテーマがある。結構扱いにくいテーマを誰にでもわかるように書けているのはさすがの筆力だと思うし作家としての成長かなとも思うけど、僕はやはりいつもの伊坂幸太郎の2つの魅力を併せ持った作品を読みたいなと思った。

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