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『世紀の空売り』はサブプライム危機の勉強もできる面白本

世紀の空売り世紀の空売り
(2010/09/14)
マイケル・ルイス

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『世紀の空売り』は、サブプライム危機に端を発した世界金融危機について、サブプライム・モゲージ債の空売りで大成功した3組をつぶさに描くことで「あの時、何が起こっていたのか」がわかる、面白くかつ興味深い読み物となっている。

著者は元ソロモンブラザーズの社員で、退社後ソロモンブラザーズのトレーダーたちの内情を描いた『ライアーズ・ポーカー』でデビューしたマイケル・ルイス。今回の『世紀の空売り』も面白かったが、『ライアーズ・ポーカー』も劣らず面白かった。

元オッペンハイマーの株式アナリストのスティーヴ・アイズマン、元神経内科医でバリュー株ファンドの運用で成功しつつあるマイケル・バーリ、長期株式オプションで儲け始めていたジェイミー・マイとチャーリー・レドリー、の3組がこの物語の主人公だ。

面白いのはどの人物も変人だということ。スティーブ・アイズマンは人を怒らせる名人だし、マイケル・バーリは人付き合いは苦手だが自分が興味を持ったものにはとことん調査し尽くすアスペルガー障害の持ち主。ジェイミー・マイとチャーリー・レドリーは運用経験もないのに自己資金の運用に乗り出した内気な二人組。やっぱりこういう変なやつじゃないと「人の行く裏に道あり花の山」的な投資行動を取ることはできないんだろうな。

彼らはそれぞれがサブプライム・モゲージ債市場の急激な成長の裏にある虚偽に気づく。サブプライム・モゲージ債が不当に高く評価されているとした彼らは、サブプライム・モゲージ債の値下がりにかけるポジションを取る。彼らはそれでも「本当にこんなことが許されていて誰も気づいていないのか」と不安になり、何度も確かめるのだが、実は投資銀行も格付機関も投資家も誰も本当のリスクについて全く理解していなかったということがわかるのだった。

読み物としても面白く最初から最後までグイグイ読ませるし、サブプライム・ローン、CDO、CSDなどの専門用語についてもとてもわかりやすく書いてあり、証券化商品についてのわかりやすい解説書にもなっている。

本作の著者のマイケル・ルイスは元ソロモンブラザーズの社員だけあって、本作も『ライアーズ・ポーカー』もすごく面白い。ただし金融ノンフィクションしか書けないかと言うとそうではなく、メジャーリーグ経営のノンフィクションである『マネーボール』も非常に面白かった。この3冊はどれも超お勧めのノンフィクション作品です。
ライアーズ・ポーカー (ウィザードブックシリーズ)ライアーズ・ポーカー (ウィザードブックシリーズ)
(2005/12/17)
マイケル・ルイス

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マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)
(2006/03/02)
マイケル・ルイス

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あと今年になって読んだノンフィクションは読み物としても面白いし勉強にもなる本が多い。『ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか』は顧客サービスと企業文化について、『フェイスブック 若き天才の野望』はソーシャル・メディアとマーケティングについて、この『世紀の空売り』は証券化商品とサブプライム危機について、それぞれ楽しみながら学ぶことができる。これらの本も読んでいなければ是非読んでみてください。

関連記事
『ザッポス伝説』
http://kaz1116.blog84.fc2.com/blog-entry-33.html

『フェイスブック 若き天才の野望』は超面白本
http://kaz1116.blog84.fc2.com/blog-entry-64.html

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