スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

宮部みゆきの『英雄の書』を読んでキングや小野不由美のことなど

英雄の書 (カッパ・ノベルス)英雄の書 (カッパ・ノベルス)
(2011/05/19)
宮部みゆき

商品詳細を見る

『英雄の書』は宮部みゆきのファンタジー小説。小学生の女の子が主人公で、優秀なお兄ちゃんが学校で傷害事件を起こし失踪する。それはお兄ちゃんが邪悪な本に魅入られてしまったから。そして主人公の女の子がオルキャスト(=印を戴く者)となってお兄ちゃんと世界を救うための冒険の旅に出る。といったストーリー。そこそこ面白くはあったけど、宮部みゆきにしては物足りなかったというのが正直な感想。

宮部みゆきはスティーブン・キングの影響を強く受けている、特に執拗なまでの細部の描写を行うところ。これは先日エントリーした『ミステリーの書き方』で本人も認めている。その執拗なまでの細部の描写が、キング作品にも 宮部作品にも圧倒的なリアリティを与えている。
ミステリーの書き方ミステリーの書き方
(2010/12)
日本推理作家協会

商品詳細を見る

ただキングにしても宮部みゆきにしても、その圧倒的なリアリティはファンタジー作品ではその持ち味を活かせてないように感じる。キングは『シャイニング』や『呪われた町』に代表される初期のスーパー・ナチュラル・ホラーがその真骨頂であり、宮部みゆきは『理由』や『火車』や『模倣犯』のようなドキュメンタリータッチのミステリーがその真骨頂であると僕は思う。(キングのファンタジー作品では『タリスマン』が例外的に傑作だと思うが、これはピーター・ストラウブとの合作というのがいい方向に向かったんじゃないかと想像)

シャイニング〈上〉 (文春文庫)シャイニング〈上〉 (文春文庫)
(2008/08/05)
スティーヴン キング

商品詳細を見る


呪われた町(上) (集英社文庫)呪われた町(上) (集英社文庫)
(1983/05/20)
スティーヴン・キング

商品詳細を見る


理由 (朝日文庫)理由 (朝日文庫)
(2002/08)
宮部 みゆき

商品詳細を見る

火車 (新潮文庫)火車 (新潮文庫)
(1998/01)
宮部 みゆき

商品詳細を見る

模倣犯1 (新潮文庫)模倣犯1 (新潮文庫)
(2005/11/26)
宮部 みゆき

商品詳細を見る


同じスティーブン・キング・フォロワーだったら小野不由美のほうがファンタジーには合っている。宮部みゆきの『クロスファイア』が『ファイアスターター』への、『ブレイブ・ストーリー』が『タリスマン』へのオマージュ作品であるように、小野不由美の『屍鬼』はキングの『呪われた町』へのオマージュであるのは明白だ。

クロスファイア(上) (光文社文庫)クロスファイア(上) (光文社文庫)
(2002/09/10)
宮部 みゆき

商品詳細を見る


ファイアスターター (上) (新潮文庫)ファイアスターター (上) (新潮文庫)
(1982/09)
スティーヴン・キング

商品詳細を見る


ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)
(2006/05/23)
宮部 みゆき

商品詳細を見る


タリスマン〈上〉 (新潮文庫)タリスマン〈上〉 (新潮文庫)
(1987/07)
スティーヴン キング、Stephen King 他

商品詳細を見る


『屍鬼』も凄い小説ではあるけど、『呪われた町』には敵わない。やはり小野不由美の真骨頂は『十二国記』に尽きると思う。『十二国記』の面白さは格別で何度読んでも飽きない。その世界観も面白いしキャラクター設定がなにより秀逸だ。そのあたり、小野不由美がライトノベル出身でライトノベルに必須である(と思われる)キャラクター設定の上手さがファンタジーの面白さと相関があるのかもしれない。

屍鬼〈1〉 (新潮文庫)屍鬼〈1〉 (新潮文庫)
(2002/01)
小野 不由美

商品詳細を見る
月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
(1992/06/11)
小野 不由美

商品詳細を見る


ま、いろいろ書いたけど結局ところ、スティブン・キングも宮部みゆきも小野不由美も大好きなんです・・・

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

宮部みゆき「英雄の書」

宮部みゆき著 「英雄の書」を読む。 このフレーズにシビれた。  ヘイトランドは、既に"紡ぐ者"の手を離れてしまっていて、どうすることもできないのか。ならば、"紡ぐ者"というのは ...

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kaz

Author:kaz
本がとにかく好き。あとはテニス、映画、音楽、デジタル・ガジェットも。iPadラブ。

全記事(数)表示
全タイトルを表示
人気エントリー
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新トラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。